リトミシュル城と城館敷地の景観地区

リトミシュル城と城館敷地の景観地区

ルネサンス様式のリトミシュル城の魅力を堪能する

城館の見どころとしては、見事なズグラッフィート装飾、壮麗な妻壁、優美な柱廊、ロマンティックな庭園、それに神秘的な地下道などが挙げられます。しかしリトミシュル城の魅力はこれだけではありません。ペルンシュテイン家の居城で外交の場でもあったこの城館はボヘミア地方で最も美しいルネサンス様式の城の一つに数えられており、建築の妙を存分に堪能することができます。このような魅力が認められリトミシュル城はユネスコの世界遺産に登録されています。

城館ガイドツアーでは、リトミシュル城の歴史に触れながら、常設展示の歴史的ピアノのほか、豪華な部屋の数々を見学することができます。また城館の地下では20世紀のチェコを代表する彫刻家オルブラム・ゾウベクの個性的な作品を鑑賞することもできます。城館の塔を上ると眼前に見事な眺望が広がります。また城館の壁面を装飾する封筒型のズグラッフィート画も必見です。一点一点観察なさればおわかりになりますが、驚くことに8000点のズグラッフィート画の図柄はすべて異なるのです。

名作映画の名残

名作映画がお好きな方はきっと喜ばれるでしょうが、リトミシュル城の広間では、チェコ出身の世界的に有名な映画監督、ミロシュ・フォルマン(フォアマン)のオスカー受賞作『アマデウス』の撮影に使われた見事なシャンデリアを実際に目にすることができます。

天才作曲家の生誕地

当地ではぜひビール醸造所を訪問なさってください。ただし、この地では極上ビールの試飲が目的ではなく、19世紀の偉大な作曲家の物語を探訪なさることになります。1824年ベドジフ・スメタナが生まれたのがリトミシュルの城館のビール醸造所だったのです。スメタナは、運命のいたずらか、11人目の子供でありながら長男として生まれました。スメタナの父親は初めて生まれた男の子に歓喜して、ビール樽を中庭に持ち出して、地元の住民たちと一緒に盛大に誕生のお祝いを楽しんだと伝えられています。

庭園の魅力を五感で楽しむ

貴族社会の美の精髄のご見学はいったんお休みにして、少し休憩したいというときには、ぜひ城館を囲むフランス式庭園を散策してみてください。柔らかい芝生に腰を下ろして、お友達と一緒にピクニックなさるのもよいでしょう。ギリシャ神話の神々をモチーフにしたバロック様式の彫像や、エジプト風の装飾が施された帝政様式のガゼボなどが配された庭園の中で快適なひと時をお過ごしください。フランス庭園の一角にはイギリス式庭園があり、ここでは毎年スメタナ・リトミシュル音楽祭が行われています。

この城館は強い土地柄の感じられる東ボヘミアのこの都市の魅力の一つにすぎません。ぜひ独特な雰囲気のある街路も散策なさって、ここリトミシュルの魅力をご満喫ください。