スヴァティー・ホスティーン(聖ホスティーン山)

スヴァティー・ホスティーン(聖ホスティーン山)

スヴァティー・ホスティーンへの巡礼の旅

ホスティーンスケー・ヴルヒ(ホスティーン連峰)の中心に位置する高丘にそびえる壮麗な巡礼教会は、チェコ共和国で最も訪問者の多い巡礼地として知られています。単なる旅行者もいれば、この東モラヴィア地方の巡礼路を実際に行く巡礼者もいますが、毎年何千人もの人々がこの地を訪れます。当地では巡礼者のための質素な宿泊所、十字架の道、展望塔に加え、風力発電所にも出会うことができます。

巡礼の伝統は聖母マリアの奇跡にまつわる伝説をもとに生まれました。伝説によると、13世紀のモンゴルのヨーロッパ侵攻の際、人々はこの地で身を隠していました。水不足に苦んでいた人々は聖母マリアに祈りを捧げていました。するとそこに泉があふれ出し、大嵐がやってきてモンゴル軍を追い払ったと伝えられています。

美しい自然に囲まれた精神世界の中心地

巡礼教会(バシリカ)でまず目を引くのは、地域全体の象徴となっている教会正面の二本の尖塔と半球天井(クーポラ)です。巡礼教会をご見学の折には荘厳な堂内だけでなく西側の外壁装飾にも注目してください。イタリア製の特殊ガラス板を26万枚使って製作されたモザイク画「ホスティーンの聖母」をご鑑賞ください。巡礼教会からのびているのが十字架の道で、建築家ドゥシャン・ユルコヴィッチが手がけました。十三ヶ所の巡礼地の各所でヴラフ地方風アール・ヌーヴォー様式の美しい礼拝堂をご覧になれます。ユルコヴィッチの建築作品は、モラヴィア地方最大の温泉地ルハチョヴィツェやベスキディ山地のプステヴニ山稜でも目にすることができます。