チェコ共和国とその豊かな水

チェコ共和国とその豊かな水

3月22日は世界水の日です。これにちなんでチェコではどれだけ水が重要かというお話をしましょう。

チェコにおいても水は命の基本です。しかも有名な楽曲のモチーフになり、映画も水と共に撮影され、さらに多くのチェコ人の夏休み・国内の休日にとっては欠かせないものでもあります。しかし水を楽しむ人々がチェコは海まで遠いという文句を言う必要もありません。ヴルタヴァ、ラベ、トルシェボニュ地域あるいは他の“水の”名所に行けば事足りてしまうからです。誰もが水に足りているわけではないことに思いを馳せる世界水の日の機会に、チェコ共和国の水の豊かさについて、またそれをチェコ人がどれだけ誇っているかについて読んでみてください。

水上での休日

チェコ共和国では川くだりを好む傾向が大きく、チェコの若者や子供を持つ家族にとってティピカルな夏の娯楽となっています。彼らはボート、いかだ、テントを数日間借り、多くの川のうちの1つに繰り出します。サーザヴァ(Sázava)、オフルジェ(Ohře)、オタヴァ(Otava)、ベロウン川(Berounka)、さらにはヴルタヴァ(Vltava)などを下るのです。こんな旅行にロマンティックな色を添えるのはテントの中や屋根のない夜空の下で寝ることでしょう。あるいは多くの城・宮殿の歴史的な景色も一役買います。

サーザヴァ川を選ぶなら、チェコ国内で最も古く最も美しい城の1つを見逃すことはありません‐チェスキー・シュテルンベルクはサーザヴァ川岸の岩の上にそびえており、水上を行く船を見張っています。もしオフルジェ川を行くなら確実に、もう1つのチェコが誇る城に出会います。オフルジェはロケト城の周りを巡るように流れており、その流れ方がこの城に名前を与えたほどなのです‐ロケトとは“肘”を意味しています(注:川の蛇行が肘の形であることからついた名前)。ロケト城もチェコの重要な城の1つに数えられており、チェコ人に好まれる君主カレル4世に結びつく場所でもあります。カレル4世は幼少時代に父によってここに幽閉されていたのです。確実性をもとめるなら、ヴルタヴァ川の川くだりがよいでしょう。ここではUNESCOの文化遺産の1つであるチェスキー・クルムロフを通ります。美しい城以外に川くだりをする人々に有名なのはここにある堰で、特に熟練した人しかこれを下りきることはできないといわれています。

チェコ共和国で好んで行われる水と結びつく別のアクティヴィティは‐魚釣りです。静けさ、安息、朝の霧、準備された釣竿。これは多くのチェコ人が心地よく時間を過ごすための基本要素です。そういうチェコ人の1人が世界的に有名なフィッシャーマンのヤクプ・ヴァーグネルです。彼は淡水魚釣りでいくつかの世界記録を持っており、特にナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの番組「フィッシュ・ウォリアー(Fish Warriar )」で有名になりました。彼の尽力もあり今年はパーラヴァそばノヴェー・ムリーニ(Nové Mlýny) 貯水湖で鯉釣り世界選手権が行われます。

魚釣りに重要な地域はトルシェボニュ地域です。ここにはロジュムベルク家と結びつく数百年に及ぶ漁業の歴史があります。ロジュムベルク家が14世紀にここに漁場としての池を初めて造り、その百年後に漁業が多いに 繁栄しました。偉大な家系の名前をとって、国内で最大の池はロジュムベルクといいます。その堰の大きさは他の欧州の大型の池を凌ぐものがあります。トルシェボニュ地域保護地域に指定されており、その落ち着いた景観を求める観光客の数は増加する傾向にあります。

インスピレーションの源

チェコで最も長い川はヴルタヴァで、この川は作曲家ベドルジフ・スメタナのインスピレーションの源になりました。スメタナは交響詩「わが祖国」の第2曲をこの川に捧げています。この曲の中で、ヴルタヴァ川の物語の全てを聞き取ることができます‐シュマヴァの源泉から始まり、南ボヘミアの小さな村々を通り抜け、プラハを流れる様子・・・そしてヴィシェフラドの壮大さと同様に壮大なモティーフへと続きます。

芸術家‐この場合映画制作者‐は、水に関する他の貴重なものを頻繁に利用しています。プラハのブベネチ(Bubeneč) にある旧浄水場です。通常、重要な名所の中に浄水場が入ってくることがあまりないことはわかっていますが、ブベネチのそれは本当に珍しいのです。20世紀初めの建築史、技術史、水利用史の資料として重要な意味を持っています。浄水場は多くの映画に登場しています。例えばアメリカのアクション映画、ミッション・インポッシブルがその1つです。主役のトム・クルーズも興味からこの浄水場を見学したそうです。

チェコ国内で水に関係した特別なもの

ボヘミアの北、クルコノシェ山脈には欧州最大級の川・水上運輸路エルベ川の源泉があります。ドイツ全土を流れ北海へと流れ込む川です。しかしそこへ到達する前に、チェコではシュピンドレルーフ・ムリーン、パルドビツェ、歴史あるムニェルニーク、ドイツとの国境近くでは保護地域のボヘミアンスイス地域を流れます。

注目に値する技術的名所には、イエセニーキのドロウヘー・ストラーニェ(Dlouhé stráně)にある特殊な発電設備もあります。この発電所は現時点での電力需要と発電との間の不安定を解消する目的があります。そのため、1日に何度もポンプ設定からタービン設定へ、そしてその逆向きの設定変更を繰り返しますイエセニーキの保護地域に設置されている関係から、設備は全て地下に存在します。ドロウヘー・ストラーニェの発電所はこの特殊性を理由に、カルルシュテイン城フルボカー城も名を連ねている国内の人気名所ランキングに定期的にランクインしています。チェコの7名所の1つにも選ばれています。

チェコ共和国で特殊なものといえば、国の西にある温泉三角地帯もあります。当地の熱水泉は世界的にも特殊で、この源泉のおかげでここでの湯治の歴史は古く600年以上昔、カレル4世が統治した時代から始まっています。

北ボヘミアも水に関係する世界的特殊性を持っています。ホムトフには世界で唯一のミョウバンを含む湖があります。地球上では他にカナダに同様のものがありましたが、こちらは枯渇してしまっています。