チェコの年越しに‐ Chlebíček:フレビーチェク(チェコ風カナッペ)
チェコのフレビーチェクに対する愛情はビールに対するそれと変わらないといってもいいでしょう。バゲットの小さなスライスの上に、ハム、チーズ、ピクルス、マヨネーズ、卵などを組み合わせてのせる食べ物は、誕生日のお祝いや結婚式、あるいは家にやってきたお客様のために愛情をこめて作られます。フレビーチェクはチェコの料理であり、新年を迎えるときにも欠かせないのです。下記に、プラハで大晦日の前に(大晦日でなくとも)最高のフレビーチェクを味わえる場所5箇所をご紹介します。
“フレビーチェク工房”はそれぞれ、オリジナルな目玉商品や門外不出の手法を持っています。でも、フレビーチェク作りの基本の部分は何十年にわたって変わることはありません。20世紀はじめのノーブルなパーティーの席では、上流階級の人々がトリュフのような最高の食材を使ったフレビーチェクを口にしました。フレビーチェクの作り方は、1931年のレシピ本の中にも見られます。そこでは、乾燥しないように提供する寸前に作ること、一級の食材を使い、5つ以上の食材を一度に載せてはいけないということが書かれています。

次第にフレビーチェクの実用性が評価され他の社会階級にも浸透してゆき、それにともなってレシピも彼らに合ったものにかわりました‐高級な食材は手にはいりやすいもの、例えばトリュフはサラミに替えられたのです。その後、だんだんとエキゾチックなあるいは高級な食材がフレビーチェクの上に復活してゆくのですが、サラミのフレビーチェクも好まれ、今でも残っています。

下記はプラハで最も人気のあるカナッペ店といえる店です。体のラインが崩れるなどということはしばし忘れてしまいましょう。いずれにしても、ダイエットは新しい年からはじめるものです。

リベルジュスケー・ラフートキ(Libeřské lahůdky

リベルジュスケー・ラフートキはプラハにいくつかの支店があります。が、ヴァーツラフ広場の店であろうが、ヴィノフラディの店であろうが、どこでも商品の質は高く維持されています。どこの店でも同じように美味しいのです。リベルジュスケー・ラフートキは数十年の伝統をもった家族企業で、そのレシピを新鮮なものに向上させました。例えば、フレビーチェク・デブレチーンカ(デブレチーンハムをのせたフレビーチェク)や、キャビアが乗ったフレビーチェクを試してみてください。

ラフートキ・ズラティー・クルジーシュ(Lahůdky Zlatý kříž

デリカテッセンのズラティー・クルジーシュはフレビーチェク天国といわれます。これはいいすぎではありません。扱う種類は大きさも様々な70種類。もし、このおかげで少し体に肉がついたと思うなら、低カロリーバージョンを試してみてください。

プリマ・フレビーチュキ(Prima Chlebíčky

皆の注意がフレビーチェクに集まるシンプルなお店は、国立博物館から遠くないところにあります。メニューにはデザートもありますが、お客の注目は断然フレビーチェク。クラッシックなものと、美食家向けー例えばアヒルの胸肉のスモークのせ、ヤギチーズのクランベリーソース添え、ブルーチーズとりんごのせなどが選べます。

フレビーチュキ・レトナー(Chlebíčky Letná

何年経っても変わらない…レトナーのフレビーチェク・ビストロは老いることがなく、プラハでは本当に誰もがこの店を知っています。ここでは1つのフレビーチェクの値段が大体30コルナくらい、メニューにはクラシックなもの―ハム、チーズ、かにかまぼこ、カマンベールチーズなど、更に他にも定評のある種類がたくさん扱われています。カロリーが気になるというのでしたら、ミニバージョンも選べます。半分の大きさのフレビーチェクはお値段も半分です。

シスターズ(Sisters

小さく心地よいビストロのSistersは、バーが多く夜の繁華街として有名なドロウハー通り(Dlouhá třída)の入り口にあります。パーティーに出かけるにせよ、ここから遠くない旧市街広場に向かうにせよ、フレビーチェクでまず力をつけてからにしませんか。Sistersは“フレビーチェク工房”の中では新参者に入りますが、だからこそ、昔ながらの製法にちょっとした改革を加える方法をとりました。例えばパンは自家製酵母パンです。

ビストロの真正面には美味しい肉製品を気軽に買えることで有名な精肉店があります。たとえばパンに、この最高品質の肉から作ったハムをのせたら…。こうなると、これはもう違う記事の題材になる話なので、ここは、皆さんにボナ・ペティと最高のフレビーチェクを選ぶ幸運な手を持つことをお祈りして終わりにしましょう。