チェコの屋根から望むユニークな風景

チェコの屋根から望むユニークな風景

展望台は無用!チェコではごく普通のテラスや屋上が、ユニークな、最高の眺望を提供してくれます。

チェコの屋根から望むユニークな風景
人は太古の昔から、景色を愛でてきました。どこまでも広がる壮大な景色ほど、人の心をほっとさせるものはありません。自然の景色だけでなく、町の風景でも同じことです。街中の建物の屋根、テラス、ルーフ・ガーデンなどは、夕日やその他の美しい景色を楽しむのに最適な場所となっています。

ルツェルナとコトヴァ  ―  プラハ中心部珠玉の屋上世界 

プラハルツェルナ宮殿は、プラハ市内観光の際、必ず立ち寄りたい場所の一つ。まず宮殿自体が一見の価値ありです。ヴァーツラフ広場に位置するこの建物は、100年の歴史を誇るショッピングモールで、内部にはコンサート用の大ホール、小ホールのほか、喫茶店、プラハで最初にオープンした映画館、ミュージックバー、そしてギャラリーもあります。その屋上には、近年サマー・カフェ、およびテラス群が整備され、プラハの少し変わった風景を提供しています。更に今年の夏、ルツェルナの屋上は、様々な地中海の植物から成る庭園に様変わりし、各種文化、社交イベントの開催場所として使用されています。ルツェルナの屋上は10月末まで、毎週土曜日、日曜日、そして月曜日の午後3時から日暮れまでの期間、一般開放されています。屋上へはパーテルノステルと呼ばれる旧式のエレベーターで昇ることになりますが、これは常に循環していて止まることがないので、タイミングを見計らって乗り降りする必要があります。

市民会館のすぐ近く、共和国広場に立つデパート「コトヴァ」の屋上も、素晴らしい展望を提供しています。コトヴァがオープンしたのは1975年2月ですが、5階のサン・テラス「T-アンカー」が開店したのはこれよりずっと後のことです。この店の自慢は650 m2 のテラスで、ここからは旧市街に立ち並ぶ教会の塔を一望することができます。レストランは夜10時閉店となっていますが、これはチェコでは10時以降は夜間無騒音時間と法律で定められていることから、レストランの屋外空間をクローズしなければならないためです。レストランは、地元、あるいは外国の、大小様々な醸造所のビールを提供しており、まさに晩餐と団らんに最適な場所と言えましょう。

博物館では展示見学以外のお楽しみも 

プラハ・レトナー地区の国立農業博物館には、美しいテラスがあります。この博物館は最近改築され、これにより1930年代の外観が復活、同時に屋上のテラスにもアクセス可能となりました。ここからは、プラハ城を含むプラハの大部分を望むことができます。屋上にはまた蜂の巣箱、そしてハーブ庭園もあり、天気が良ければここでピクニックを楽しむこともできます。

ヴァーツラフ広場を見下ろすように立つ国立博物館の歴史的な建物。ここでは今年の春に新たにドームもオープン、そこからヴァーツラフ広場はもちろん、周囲の建物の屋根、そしてプラハ全体のパノラマ風景も楽しめるようになりました。

一方、目が回るような高さから絶景が楽しめるのが、ヴィートコフの国立記念館の屋上です。この建物の屋上テラスは、毎週木曜日から日曜日の10時から16時の間、一年中一般開放されています。ここからはジシュコフ地区とテレビ塔が手に取るように見えるほか、カルリーン、新市街、国立博物館、そして幾つもの教会の塔がご覧いただけます。プラハは百塔の町と言われていますが、その名の由来がここで十分納得していただけることでしょう。

プラハのレストランのテラス 

ディナー代が若干高くなっても良いという方は、レストランでもプラハの素晴らしい景色をお楽しみいただけます。ホテル「ウ・ズラテー・ストゥドゥニェ」は、トリップアドバイザーで常に世界最高のホテルの一つと評価されていますが、これにはホテル内レストランのテラスから望むマラー・ストラナの家々の屋根の風景も、大いに影響していると思われます。また旧市街広場のレストラン「テラサ・ウ・プリンツェ」も、ガイドブックや雑誌で、世界で最も美しい屋上テラス・レストランの一つに挙げられています。更にプラハ城近く、聖ヴァーツラフの葡萄園内にあるレストラン「ヴィラ・リフテル」もお勧めです。

オストラヴァとブルノの眺め 

チェコ北東部のオストラヴァも、その「展望屋上」を擁しています。その一つがドルニー・ヴィートコヴィツェ地区高溶鉱炉No.1の上に建てられたもので、現在はボルト・タワーの名で知られている塔です。ここには工業都市としての町の歴史を示す空間のほか、カフェ、クラブ、そしてもちろん展望テラスがあります。ここでは78 mの高さから周辺地域を眺めることができます。また1930年に建てられた新市庁舎の展望塔も高さ73 mあり、ここからは、天候条件が良ければベスキディ山地からポーランドの平地に至るまで、周辺全域一帯の景色が望めます。


南モラヴィアの中心都市・ブルノには、望遠鏡で素晴らしい景色が楽しめる場所があります。それは「リパーの貴族の家」と呼ばれる、改築されたルネサンス式宮殿の7階、カフェやバーの上に位置する空間で、自由広場の一部および聖ヤクプ教会を望むユニークな鳥瞰図を提供してくれます。ここは通常3月から初雪の時期まで一般開放されています。また町の眺望は、旧市庁舎の塔、あるいは聖ペトル・パヴェル教会の塔などからも、ご堪能いただけます。