チェコ・イースターの慣習と伝統

チェコ・イースターの慣習と伝統

今年もキリスト教圏最大の祝祭・イースターが近づいてまいりました。

チェコ・イースターの慣習と伝統
イースター(復活祭)は、春の到来とキリストの復活の祝い、そして新たな農作年の開始を意味する春最初の満月を祝う、太古の昔から存在する祝祭日です。

伝統的慣習

チェコのイースターのシンボルは、クラスリツェと呼ばれる彩色された卵(イースター・エッグ)と、柳の若枝で編み、リボンで飾られたポムラースカと呼ばれる鞭です。イースター・マンデーには、このポムラースカで、男性が子供も大人も歌を歌いながら、象徴的に女性を鞭打ちます。民俗伝承では、鞭打たれた女性は、その年一年中美しさと瑞々しさを保つとされています。



また地方によっては、ジェフタチキと呼ばれる習慣が今も続いているところもあります。そこでは木曜日から土曜日にかけて、少年たちが木製のジェフタチキ(ガラガラと音のする器具)を鳴らして村の家々を回り、イースターの期間中象徴的にローマに飛び去り、沈黙している教会の鐘に代わって、人々をミサにいざないます。

イースターでは、四旬節の節食期間の後、真の豊潤期間が訪れます。典型的なイースター料理としては、例えばイラクサ風味の詰め物が入った子羊、ウサギ肉、練り粉を時間をかけて発酵させて作られたマザネッツと呼ばれるパン、あるいは羊の形をしたビスケットにシュガー・ソースをかけたものなどが挙げられます。またこのほかにも、蜂蜜でコーティングされたイダーシェと呼ばれる円筒形のパン、砂糖をまぶしたボジー・ミロスト(神の慈悲の意)と名付けられたクッキーなども、イースターの定番となっています。



イースター・マンデーには、卵料理が欠かせません!卵は、古くから新たな命と復活のシンボルとされてきました。復活祭の期間中、大抵どのレストランでもイースター・メニューを、スパイス入りの特別なイースター・ビールとともにお召し上がりいただけます。
 

朝食もトラディショナルに 

この時期、伝統的に何種類もの食べ物がふるまわれますが、地方によって食べ物の習慣が大きく異なることも珍しくありません。しかしながらチェコ国内どこでもほぼ共通している食べ物があります。それは「マザネッツ」と呼ばれるイースター・パンです。今年のイースターは貴方もパン作りにチャレンジしてみませんか?

材料:小麦粉(半粗挽き=ポロフルバー<polohrubá>)0.5 kg、ドライイースト30 g、砂糖80 g、バター 100 g、卵黄卵2個分、塩少々、牛乳185 ml、レーズン50 g、アーモンド、卵白とアーモンド(飾り用)

作り方:ドライイースト、牛乳少々、砂糖を混ぜ合わし、暖かい場所に置いて発酵させます(①)。発酵には10分ほどかかるので、その間にバターと砂糖、卵黄を混ぜ合わせておきます。これに小麦粉、塩少々、そして①を加え、パン生地を作ります。パン生地には更にスライスしたアーモンド、レーズンをふるい入れます。レーズンはあらかじめラム酒やコニャックなどに漬けておいたものを使用しても良いでしょう。パン生地は十分に練ってから、布巾など空気を通す布地をかぶせたボールに入れて約2時間発酵させます。発酵後生地を天板に移し、卵白を塗り、飾りのアーモンドを付けてください。オーブン温度を200℃に設定し、黄金色になるまで約1時間焼きます。

イースター・パンは、普通のパンの代わりとして食されます。従ってパンと同様、薄く切り分け、お好みでバターや蜂蜜、あるいはジャムを塗ってお召し上がりください。