チェコとハリウッド・スター

チェコとハリウッド・スター

今日は家のテレビで映画鑑賞。まずはジェームズ・ボンド物。ボンドがエレガントなレストランでマルティーニを飲んでいるシーンが出てきました。チャンネルを変えると、クライヴ・オーウェンが中世の騎士に扮して登場。そしてさらにチャンネルを変えると、今度は第二次世界大戦物、スカーレット・ヨハンソン主演のコメディドラマ… 貴方は、これら全て、チェコで撮影されたという事実をご存じでしたか?ここでは有名な映画の舞台となった場所を、ご紹介いたしましょう。

スカーレットがホップの町に 

コメディタッチのドラマ「ジョジョ・ラビット」は、2020年6部門でアカデミー賞を受賞しました。審査員には、独創的な物語のみならず、映画のビジュアル要素も高く評価されました。この映画の監督タイカ・ワイティティは、3週間の撮影場所にジャテツを選びましたが、美しい路地と通路に溢れたこの中世の町にすっかり魅了されたと語っています。またプラハから車でわずか2時間の距離にあることもロジ上好条件となりました。この作品の中では、町の中心部が、スカーレット・ヨハンソンが演じるヒロインが住むドイツの町に作り変えられています。
撮影スタッフがジャテツを撮影場所に選んだのは、決して偶然ではありません。この町ではこれまでも、例えばリーアム・ニーソン主演の「レ・ミゼラブル」や、バーブラ・ストライサンドの監督デビュー作品「愛のイエントル」などで舞台として使用されています。ジャテツの町の魅力は、中世の建物とルネサンス式の建物とが、創設当時の形でそのまま残されていることにあります。ジャテツはすでに1004年には存在していたことが文献により証明されていますが、当初より有名なジェテツ・ホップに関する言及がなされています。この町のホップは、何世紀にも渡って、ジャテツ・ビールの醸造に利用されてきました。こうしたビールの歴史は「ホップの神殿」と呼ばれるビール博物館で詳しく紹介されています。これは展示面積4000 m2 の、この種の博物館としては世界最大のものとなっています。ここでは、ホップの加工に関する様々な情報が紹介されており、これを知ることにより、なぜこの地方のビールが世界中の人々に愛されているのか、その理由を理解できるようになります。館内では、展示見学の合間に是非「神殿の灯台」の頂上に登ってみてください。登りエレベーターの中で、ジャテツの歴史に関する上映もご覧いただけます。博物館ご見学のあとの昼食場所としては、館内地階エリアにあるレストラン「ウ・オルロイェ」がお勧め。ここでは、ビール風味の特別メニューをお楽しみいただけます。ジャテツではまた、市庁舎の塔にも是非登ってみてください。高さ47 mの塔の上からは、町全体、そして周辺の丘陵を望む素晴らしい景色が見渡せます
 

カルロヴィ・ヴァリ - ジェームズ・ボンドになりきって

ビールよりマルティーニがお好みという方は、ダニエル・クレイグ主演の「007 カジノ・ロワイヤル」の舞台となった温泉町、カルロヴィ・ヴァリへお出かけください。ジェームズ・ボンドはこの地のグランドホテル・プップでアペリティフを飲み、皇帝の温泉地域を通り、ムリーンスカー・コロナーダやヴジーデルニー・コロナーダを歩いています。カルロヴィ・ヴァリのエレガントな温泉町の雰囲気は、すでに18世紀から療養客の間で高い人気を呼んでいました。人々がこの町を訪ねるのは、養生目的のためだけではありません。温泉専属医師たちが推奨しているように、地元温泉の鉱泉水の定期的摂取に合わせて、自然の中で快適な散策ができる周囲の環境も、この町の大きな魅力の一つなのです。カルロヴィ・ヴァリの近くには、マリアーンスケー・ラーズニェフランチシュコヴィ・ラーズニェもあります。どちらも町の落ち着いた雰囲気の中、コロナーダを散策しながら、鉱水や柔らかい温泉ウェハースを口にしたり、建物正面の装飾を鑑賞したりするのに最適な場所です。但し、こうした温泉町では、時の流れ方が他の場所と異なっており、少々戸惑うことがあるかもしれません。ここでは時間がパタリと止まってしまい、貴方は時が再び動きださないよう願う自分を発見するのです。

騎士クライヴ・オーウェン 

映画「ラスト・ナイツ」ではクライヴ・オーウェンが主人公の騎士を演じていますが、その圧巻の決闘シーンを、実際に撮影された場所に足を運んで、頭の中で再現してみませんか。これらのシーンの主要部分は、クシヴォクラートにて撮影されています。クシヴォクラートは、かつて国王の居城として栄えた、チェコで最も古く、また最も重要な中世の古城の一つです。プラハから城の入場門までは、車でほんの1時間程度の距離ですが、ここは見どころ満載なので、1日がかりのエクスカーションとして計画した方がよいでしょう。ガイド付き城の見学フルコースの所要時間は100分。ここでは騎士の間、国王の間、絵画室の見学の後、城壁に沿って移動し、大円柱塔の上まで案内してもらえます。城内のレストランで昼食を済ませた後は、地元の工芸職人が硬貨や陶器、ガラスの製品を作る様子をご見学ください。午後は、城周辺の、ユネスコ自然保護区にも登録されている広大な森林公園をご散策ください。ここには120種類の鳥が生息していますが、その多くが世界的保護種に指定されています。

産業遺産とヴィン・ディーゼル 

ここでは中世から、一気に19世紀に時を進めましょう。この時代、オストラヴァは、工業の中心地として急成長します。チェコ第3の都市であるこの町の発展には、ウィーンの銀行家サーロモン・ロートシルトが多大な貢献をしました。ロートシルトはここに、当時ヨーロッパで最も近代的な製鉄所を設立したのです。以後オストラヴァは、鉱工業労働者の町として知られるようになりますが、時代とともに生産は次第に減退していきます。それでもオストラヴァ市民は、現在もこうした工業の歴史を誇りに思っているのです。産業遺産は一般公開されており、その起伏に富んだ鉱坑、立坑櫓などは、これまでに数々の映画人を引き付けてきました。韓国映画「国際市場で逢いましょう」の監督もその一人です。この映画は、朝鮮戦争後、韓国政府がドイツの炭鉱に出稼ぎに行くことを奨励していた1960年代の恋愛物語をテーマにしたものです。またオストラヴァでは、ハリウッドのスター、ヴィン・ディーゼルも、そのSF映画「バビロンA.D.」のアクション・シーンを撮影しています。彼もまた、歴青炭の採掘現場・旧ミハル炭鉱を中心としたこの産業遺産を絶賛していました。産業遺産見学ツアーでは、20世紀初頭の電気機械や、1893年製造の蒸気機関のボイラーを見ることができます。見学後は、近くのヴィートコヴィツェ地区にも是非足を延ばしてみてください。ロートシルトはここに、自社の労働者2万人の居住区を造らせました。現在も、この赤レンガでできた労働者居住区は、設立された19世紀当時の姿がほぼそのまま残されています。
 
ジョジョラビットトレーラー

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