チェコ国内の古城、城館は、冬季には大半がその門を閉じていますが、中には一年中、しかも事前予約なしで見学が可能なものもあります。町の中心に位置する宮殿、あるいは小さな町に立つ古城、城館など、ここではチェコ国内の歴史的建造物の中から特にお勧めのものを厳選してご案内いたしましょう。
プラハ城
世界最大級の敷地を有する城プラハ城は、通常冬季もオープンしており、城内の旧王宮、聖イジー教会、プラハ城美術館、皇帝の厩舎(展示会会場)、そして聖ビート大聖堂などの内部もご見学いただけます。開館時間は大半が16時までとなっています。
クシヴォクラート城
中央ボヘミアのクシヴォクラート城は、チェコ歴代国王の住処の一つで、非常に貴重な後期ゴシック式の空間を多く残しています。また52,000冊以上の蔵書を擁する図書室、数々の拷問道具が保存されている拷問室、そして牢獄なども見られますが、この牢獄は英国の錬金術師エドワード・ケリーが2年間収容されていた場所としても知られています。.jpg)
カルルシュテイン城
プラハ近郊に立つ壮大な古城・カルルシュテインは、チェコの戴冠宝物や聖遺物のコレクション保管の場、そして重要な訪問客を迎える場として、皇帝カレル四世により建てられたものです。冬季(金曜日から日曜日までの間)も、城内、皇帝カレル四世が私的・公的な目的に使用した空間を見学することができます。
ムニーシェク・ポド・ブルディ城
中央ボヘミアの町、ムニーシェック・ポド・ブルディに立つ古典主義建築の城は、貴族の居城として20世紀半ばまで使用されていたため、今もこの時代の雰囲気を色濃く残しています。見学コースでは、近年の城主たちが使用した私室、および公的目的の部屋を紹介しています。見学には是非週末にお出かけください。5人以下のグループであれば、予約の必要はありません。
ジェテニツェ城
プラハから北東に行ったところ、チェスキー・ラーイと呼ばれる地域に来られる機会がありましたら、バロック式の城、ジェテニツェ城に是非お立ち寄りください。冬季は週末10時から17時までオープンしており、お子様向けに「メルヘン・コース」と題した見学コースも用意されています。敷地内には城のほか、21世紀から中世へのタイムスリップが体験できる中世の居酒屋、あるいは中世の雰囲気が味わえるホテルもあります。また城の隣には、ビール醸造所の歴史的な建物がありますが、ここでは現在もジェテニツェ城オリジナルのビールが造られています。
ロウチェニュ城
広大な英国式庭園に囲まれ、迷路やその他様々な見どころを擁する、中央ボヘミアに位置するバロックの城、ロウチェニュ城は、一年中一般公開されています。この城の歴史は、貴族トゥルン=タクシス家と深い関係にありますが、この一族は郵便、交通部門の中心的存在であったことで知られています。ロウチェニュ城には、オーストリア皇帝フランツ一世、米国の作家マーク・トウェイン、あるいはチェコの国民的作曲家ベドジフ・スメタナ等数々の著名人が訪れています。貴方もこの城を訪ねて、タクシーという言葉の由来、あるいは欧州最大の競馬障害競走、ヴェルカー・パルドゥビツカーの発祥経緯などを探ってみませんか。
ズビロフ城
プラハとピルゼンの間に位置するズビロフ キャッスル ホテルでは、冬季 (1 月を除く) に城のツアーを開催しており、城の歴史について詳しく学ぶことができます。フリーメイソン・ホール、あるいはアルフォンス・ムハ(ミュシャ)が有名な「スラブ叙事詩」を完成させた広間などを紹介しています。また貴重な展示品を介して、テンプル騎士団の歴史を知ることもできます。見学コースは、毎日10時から17時まで実施されています。
ロケット城
西ボヘミア、カルロヴィ・ヴァリ近郊に立つゴシック式のロケット城は、チェコ国内で最も美しい古城の一つとされています。三方をオフジェ川に囲まれた切り立った岩壁の上に建てられたこの城は、皇帝カレル四世が、わずか3歳のときにここに幽閉されて以来、しばしば滞在していた場所としても知られています。城内はユニークな展示品がそこここに見られますが、中でも陶磁器の広範なコレクション、および歴史的武器・銃器のコレクションは特に見応えがあります。更にここでは、1422年にロケットの町に落下した隕石も見ることができます。ロケット城は、冬季も毎日16時までオープンしています。
フルボカー・ナド・ヴルタヴォウ城
南ボヘミアのロマンチックなフルボカー・ナド・ヴルタヴォウ城は、チェコで最も美しい城館の一つに数えられています。冬の見学コースでは、狩猟の食堂、食事の準備室、あるいは最後の城主、アドルフ・シュワルツェンベルク博士の部屋など、シュワルツェンベルク家が四代に渡って使用した居住区を紹介しています。また城内には、人の移動用、そして荷物用のエレベーターもあります。フルボカー城は、冬も月曜日以外は毎日オープンしています。
チェスキー・クルムロフ
南ボヘミアのチェスキー・クルムロフ城では冬季、城の建物自体は残念ながら閉まっています。但し城の敷地内にある城の博物館はオープンしているため、冬の間も、クルムロフの領主ロジュムベルク家や、その他、過去数世紀に渡ってクルムロフに居を定めていた大貴族たちの時代へのタイムスリップをお楽しみいただけます。ここには、貴族の肖像画や、貴重な古文書のほか、例えばエッゲンベルク家の敬弔旗といった大変珍しい展示品もみられます。博物館は城内の塔の中に位置していますが、この塔の上からはチェスキー・クルムロフの壮大な展望もお楽しみいただけます。開館日は、こちらも月曜日を除く毎日となっています。
スィフロフ城
北ボヘミアのリベレツ近郊に位置するネオゴシック様式のシフロフ城は、フランスの貴族、ロハン家の居城として使用されていました。城内の部屋に置かれている家具、絵画などの調度品は全てオリジナルで、また部屋の大半が素晴らしい彫刻で装飾されています。シフロフ城には数々の著名人が滞在しましたが、有名なチェコ人作曲家アントニーン・ドヴォジャークもその一人でした。またここでは、児童向けの映画も数多く撮影されています。冬季、城は月曜日も含めて毎日、14時までオープンしています。
レドニツェ城
南モラヴィアのレドニツェ城は、チェコ国内でも最も観光客に人気のある城の一つです。この城は、リヒテンシュタイン公爵家の夏の離宮として使用されていました。城はユネスコ世界遺産に登録されているレドニツェ=ヴァルチツェ地区の一部を成しています。冬季は、1月を除き、毎週末オープンしています。冬の見学コースでは、1階の公的空間で、美しい装飾が施された天井、木製のパネルがはめ込まれた壁、そして欧州でも類のない見事な調度品をご観賞いただけます。これらの空間は、欧州貴族向けの社交行事、舞踏会などに使用されていました。