チェコの山々と冬の記録

チェコの山々と冬の記録

チェコでもっとも高い山はどれかご存知ですか?スキーのおすすめスポットとともにご紹介します

チェコの山々と冬の記録
チェコは世界一高い山も、世界一深い海溝も有していません。一方で、冬にチェコで見られる記録の数々を今からお見せしたいと思います。チェコの山々は、スキーだけでなく様々なウィンタースポーツに適した環境を有しています。整備されたマウンテンリゾートには、ウィンタースポーツが好きなあなたにぴったりのスキー場、クロスカントリー用のトレイルやボブスレートラックを兼ね備えています。

標高の高い山々

チェコでもっとも高い山は、北ボヘミア地方に位置するクルコノシェ山脈です。そこにはチェコ国内で標高のもっとも高い三つの山々 - スニェシュカ山(海抜1,603メートル)、ルチニー・ホラ(Luční hora, 海抜1,555メートル)、そしてストゥドニチニー・ホラ(Studniční hora, 海抜1,554メートル)がそびえ立っています。これらの山々にはその場所と標高を生かして、シュピレンドレルフ・ムリーンや、ペツ・ポト・スニェシュコウハラホフロキトニツェ・ナト・イゼロウといったダウンヒルスキーに最適のコンディションを整えたマウンテンリゾートが多く存在します。続いてチェコ共和国内で標高が高いのはフルビー・イェセニーキで、次にクラリツキー・スニェジュニークが続きます。4番目は想像ではありますが、おそらくシュマヴァ山地でしょう。


 

最も広大なスキーエリア

思う存分スキーを楽しむことのできるチェコ国内最大のスキーエリアはスキーリゾート・チェルナー・ホラです。クルコノシェ山脈に位置し、なんと合わせて50キロにも渡るダウンヒルスキー用のトレイルを兼ね備えているのです!スキーでもバスでも移動することのできる、六つの隣接したスキーエリアで構成されています。そしてスキーだけではなく、ソリ滑りスノーシューでの雪歩きスノーチューブなど様々なアクティビティを楽しむことができます。



最長のスキーコース

チェコ国内で最長のスキーコースはどこか、ごぞんじですか?2023年末、ドルニー・モラヴァのマウンテン・リゾートにファミリー向け3.7キロのコースがオープンしました!このコースは眺めが素晴らしいだけでなく、幅が35メートル以上ある、ゆったりしたコースでもあります。ドルニー・モラヴァが自慢するのは国内最長のスキーコースだけではありません。マウンテン・リゾートのエリア内では、世界最長の歩行者用吊り橋も楽しめます!

2番目に長いコースは、西ボヘミア、クルシュネー・ホリにあるスキーエリア・クリーノヴェツです。ラーゼニュスカーと名付けられた3.4kmのコースには、近代的な4座席のリフトがあります。コースは傾斜が緩やかで、初心者や子供連れの家族にピッタリです。

3番目のコースは3260mの長さを持つ、北モラビアイエセニーキラムゾヴァー・スキーエリアです。コースはシェラーク山(海抜1325m)からラムゾヴァー(海抜767m)までを結んでいます。シェラークからの滑りはじめは緩やかですが、その先は上級者でも満足できるコースになっています。

標高がもっとも高いスキーコース

もっとも標高が高いところに位置するスキーリゾートは、モラヴィア地方の北、イェセニーキ山地にあるプラディェドです。標高1,438メートルに位置し、大抵2〜3メートルほど雪が積もっています。そしてこれが、この辺りには数千年もの間氷山は存在していないにも関わらず、このスキーリゾートが「モラヴィアの氷山」と呼ばれている所以です。ここには初心者から経験者まで、誰もが楽しめるような環境が整っています。このリゾートはイェセニーキ保護景観地域の中にあるため、楽しむことができるアクティビティは限られています。そこを支配しているのは人間ではなく自然なのです。


 

もっとも長いスケートトラック

毎年国内最長のスケートトラックは南ボヘミア地方凍ったリプノ貯水池に形成されます。滑れる場所はおよそ12キロにも及び、これは整備された世界最長のスケートトラックであるという説もあります。氷が20センチほどの厚さに達し安全に滑れるようになると、リプノ・ナト・ヴルタヴォウとフリンブルクの間にスケートトラックが整備されます。そして寒さが厳しくなってくると、近くの4キロのスケートトラックと接続することもあります。そして2012年に起きたような、シベリアのおとぎ話のような冬が来れば、スケートトラックは38キロもの長さに達することもあるのです。

最長のソリ用トラック

チェルナー・ホラからズヴォンコヴァー・ツェスタ(Zvonková cesta)に沿ってクルコノシェ山脈ヤーンスケー・ラーズニェまでを結ぶソリ用の道は100年前からソリが使用されていた場所を通っています。ズヴォンコヴァー・ツェスタ(ソリのベルの道)はおそらくソリに近づいてくる訪問者たちを迎え入れるための小さなベルがソリに付いていたころに作られたと考えられています。その道は4,352メートルあり、道中560メートルにも及ぶ高低差があります。入場料などはなく、誰でも簡単に訪れることができます。ケーブルカーの駅でソリを借りて楽しむことも可能です。

一番寒い場所

チェコ共和国は温帯気候に位置していますが、その山々や霜の下りた谷は、氷点下の気温まで一気に下がります。南ボヘミア地方シュマヴァ山地にあるイェゼルニー沼(ムーア湖)は、チェコ共和国でもっとも寒い場所とされています。年間平均気温は約1°!そして、2005年には-36.9°が記録されています。


 

夏まで雪が見られる場所

北ボヘミア地方クルコノシェ山脈にあるストゥドニチュニー・ホラではもっとも長い期間雪を見ることができます。雪原は第二次世界大戦以前のチェコスロバキアの形をしているため、チェコ共和国の形をしていると言われています。雪が解けると、チェコスロバキアが解体していったように雪原も共和国の形を失っていきます – まずカルパティア・ルテニアが解け、次にスロバキアが解けていきます。そして最後に中央ボヘミアだけが残るのです。20年前、1999年から2000年にかけた冬、積雪は史上最高の16メートルを記録しました。例年雪は7月から8月まで見ることができ、それが解けた後、10月にまた新しい雪が降るのです。