雨の日のプラハ

雨の日のプラハ

雨のリズムに乗ってプラハを楽しむ

「百塔の街」でのロマンティックな休暇が始まろうとしているときに空模様が思わしくなくても、あきらめることはありません。プラハには雨を避けて観光できる素晴らしい場所がいくらでもあるのです。名高い博物館のドアをくぐって独特の魅力を感じてみてください。プラハに数ある劇場で観劇したり、秘密の地下道を探訪するのもよいでしょう。

博物館や美術館は天気が悪いときの解決策として定評があります。プラハには何十もの博物館、美術館があるわけですが、そのなかの白眉と言うべきは、やはりヴァーツラフ広場を上りつめたところに建っている国立博物館です。人間活動のすべての分野における資料を収蔵しており、コレクションの規模は国内最大を誇っています。
ベトレム広場(「ベツレヘム広場」)にあるナープルステク博物館では、アジア、アフリカ、アメリカ文化に関する展示が行われており、ヴルタヴァ川に突き出したノヴォトネーホ・ラーフカ(「ノヴォトニーの桟橋」の意)にはベドジフ・スメタナ博物館、ケ・カルロヴ通りにはアントニーン・ドヴォジャーク博物館が置かれています。さまざまな種類の科学技術に興味がおありの方は、レトナー公園の外れにある国立技術博物館に足をお運びください。窓を叩く雨音を耳にしながら、この国における科学技術の発展の歴史を示している展示物の間を歩いて見て回ることができます。わけても歴史的な飛行機とチェコで生産された最初の自動車は一見の価値ありです。

アール・ヌーヴォーからモダニズムへ

美術館のほうがお好きでしたらヴェレトゥルジュニー宮殿(「見本市宮殿」)に足を向けてください。このプラハで最初の機能主義建築の建物は、20世紀と21世紀の現代芸術のコレクションを展示しています。独創性の高い芸術作品、挑発的な展示、さまざまな芸術分野の渾然とした融合がお好みならば、ホレショヴィツェ地区にある現代アートセンターDOX(ドックス)がお勧めです。創設後まだあまり時間がたっていないにもかかわらず、この美術館はプラハの芸術地図において、斬新で特異という立場をすでにうち立てています。

フランス軍の跡をたどって地下へ

雨音を背にしながら、最初期のボヘミアの君主たちが築いた神秘的な居城に隠された地下へと下りていくこともできます。ヴィシェフラドというと、その場所自体が何時間もかけて見て回れる興味の尽きない場所なのですが、その城下に隠された地下道とホールを結んで造られた迷宮へと下りていけるのです。これは17世紀にフランス軍が誰にも気付かれることなく移動するために建造されたものです。

魔法の世界

雨模様の一日の終わりに何か本当に特別なことを体験して一日の締めとするのはいかがでしょう。ここプラハを発祥の地とするブラックライトシアターの公演に出かけてみてください。色とりどりの光と特殊効果と錯視現象を利用した独特な世界に入り込んでください。有名なブラックライトシアターとしては、イジー・スルネツ劇場、WOW劇場、タ・ファンタスティカ劇場などが挙げられます。