リトミシュルのバロック劇場

リトミシュルのバロック劇場

その昔、ろうそくで明かりを灯していた時代へとあなたをいざなう、1797年に建設されたユニークな劇場です。

東ボヘミアのリトミシュルにあるバロック様式の城劇場は、現在まで元の状態を保っている世界でも数少ない劇場の1つです。2 枚の幕、16の舞台の背景も当時のままで、現在劇場は世界のバロック劇場のエリートクラブに属するほどの価値を持ちます。他に、ボヘミアで完全な形で保存されているバロック劇場は、チェスキー・クルムロフにあるものだけとなっています。  
UNESCOの世界遺産に登録されているリトミシュル城が、現在の姿になったのは16世紀のことでした。元々城があった場所に、ヴラティスラフ・ズ・ペルンシュテイナが迎賓館を建てたのが始まりです。その後1城劇場がリトミシュル城の構内に建築されたのは18世紀になってからのことです。当時の所有者が、夏にリトミシュルを訪れている間も、冬にウィーンの居所で過ごすと同じように文化的な生活をしたいと望んだことが理由でした。伯爵の劇場建設は、巨額な負債があったにもかかわらず滞ることはありませんでした。しかし負債は深刻で、最終的に領土を売却せざるを得なくなりました。

劇場の建設が始まったのは1796年のことです。ここで公演が始まったのはその2年後からで、その後1830年代まで頻繁に利用されました。劇場の収容人数は最大150名、リトミシュル城の内部の1階部分に設置物として作られました。劇場には階段があり、これが伯爵家族用のボックス席と舞台を結んでいます。伯爵家の人々は俳優たちと共に舞台に上がることを好んでいたため、このような階段が設けられたのです。観客は伯爵家の客人である貴族や市民であり、彼らは劇場のバルコニーに座りました。地上部分にはリトミシュル城の召使たちが座ったとのことです。