旧市街広場の天文時計

旧市街広場の天文時計

旧市街の天文時計~中世の不思議に迫る

毎正時前になると旧市庁舎の南側の壁の前に世界各地からやってきた何百人もの観光客が集まります。中世の世界の不思議の一つと考えられていた魅力的な機械仕掛けを見学し、写真に撮ろうとしているのです。600年もの長きにわたり都市の最大の宝物の一つとされているプラハの天文時計は、世界の他のどの機械仕掛けにも見られない使徒の行列や彫像の移動、それに時間の表示などで人々を魅了し続けているのです。

プラハの天文時計(オルロイ)の作者については多くの言い伝えが残っています。最も有名な伝承は、1410年にハヌシュ師が造ったというものです。当時のプラハ評議員たちは天文時計の出来に大喜びしたものの、ハヌシュ師が別の天文時計をヨーロッパの他の都市に造るのではないかと危惧するようになりました。ある晩、暗闇の中でハヌシュ師は何者かに襲われ目をつぶされてしまい、こうして天文時計はプラハが独り占めすることになったというものです。この伝承の真偽は措いておきましょう。毎正時になるとアーチ屋根の下にある二つの小窓に12使徒の人形が次々に現れ、時計の横側に配置された彫像が動き出します。鐘を鳴らす死神、首を振るトルコ人、巾着袋を持った守銭奴、鏡を見る虚栄家をご覧になれます。一連の動きは、金色の雄鶏が鳴いて、塔の頂上の巨大な鐘が鳴り響いて終わります。また、朝一番の鶏の鳴き声を合図に幽霊や悪魔がプラハから逃げだすとも伝えられています。

歴史の重さを感じる  

文字盤に示される数字をご覧になって、どの部分が日を表わし、どの部分が曜日を表わし、どの部分が月や年を表わすのか、想像をめぐらせてみてください。天文時計は中央ヨーロッパ時間、古チェコ時間、古代バビロニア時間、それに世界でも他に類のない恒星時を示しているのです。天体の位置も知ることができます。ヨゼフ・マーネスが装飾を手がけた暦表では、十二宮で現在支配している星座を調べることができます。夏場はオルロイに投影されるプロジェクション・マッピングをお見逃しなく。オルロイがチェコの歴史の主要な出来事を紹介するこのイベントをご覧になれば、いつまでも記憶に残る素敵な体験になるに違いありません。