東モラヴィア地方

東モラヴィア地方

東モラヴィア~文明の揺籃の地

東モラヴィアは、ワラキア地方の山地、ハナー地方の平地、陽光を浴びるブドウ畑、独特の食文化、そして貴重な建築遺産から成り立っています。この地はまた、千年をこえるキリスト教の伝統が今に息づく地でもあります。巡礼の道は、いくつもの大聖堂や教会を結び、信仰の物語を紡ぎ上げていきます。

東モラヴィア地方の巡礼の道をたどれば、古い歴史と精神的な価値観に結びついたさまざまな場所を訪れることが可能になります。信仰と伝統が今日も生き続けているモラヴィア=スロヴァキア地方の美しい風景をご堪能ください。また、ご当地ならではの食を味わい、モラヴィア地方最大の温泉地ルハチョヴィツェでは効能豊かな泉のお湯を飲んで、心と体を充電なさってください。

1150年におよぶキリスト教の伝統

東モラヴィア地方におけるキリスト教の伝統は、「スラヴに信仰を齎せし者」すなわちキリル(ツィリル)とメトディウス(メトディェイ)の兄弟が、ビザンチン帝国のテッサロニキから当時のモラヴィア王国にやって来た863年にまで遡ります。二人はこの地で教会の礼拝にスラヴ語を導入し、新しい文字を創造し、聖書を古代スラヴ語に翻訳しました。2013年はこの兄弟がモラヴィアに来てからちょうど1150年にあたり、さまざまな祝典がこの地方の各地で計画されています。キリスト教の根源に遡り、巡礼者の目でモラヴィア王国の歴史を振り返ってみてください。

東モラヴィア地方の教会をめぐる巡礼の旅

最も有名な巡礼のコースは、クロムニェジーシュからチェコで最も重要な巡礼の地であるヴェレフラットまで七日間かけて歩く道です。ヴェレフラットは、伝説によればチェコの歴史における最古の国家、モラヴィア王国の中心地であり、当地の教会と大きな修道院の存在によってローマ教皇から顕彰を受けたこともあります。スヴァティー・ホスティーンからシュチーパを通ってウヘルスケー・フラヂィシュチェまで五日間かけて歩く巡礼路も、キリスト教の歴史を見せてくれるでしょう。スヴァティー・ホスティーンは、ホスティーンの森の頂にあるバロック様式の教会や奇跡の泉へと続く十字架の道とならび、最も巡礼者の多い聖地の一つでもあります。

ハナー地方のアテネと素晴らしきワイン

クロムニェジーシュは特別な地位を持つ都市で、「ハナー地方のアテネ」とも呼ばれる名勝地です。この町においての第一歩は、世界遺産にも登録されている素晴らしいバロック様式の庭園に囲まれた、大司教の城館に向けて踏み出されることでしょう。また「大司教のワインセラー」を訪れて有名なミサ用のワインを味わい、当地の滞在をさらに快適なものにすることもできます。