かつてこの場所に、大変力のあった王様、プシェミスル家の強固な城があった時代にタイムスリップしたつもりで、町を訪れてみてください。聖ヴァーツラフ大聖堂に隣接して建つズディーク宮殿は、かつてオロモウツ司教区の本拠地となっていたユニークな宮殿です。 ズディーク宮殿は、中欧で唯一残存する、ロマネスク様式の宮殿です。
この宮殿は12世紀の当時、重要な人物であった司教インジフ・ズディークが建てさせた、オロモウツ司教座の本拠地でした。オロモウツ城の核ともいえるここズディーク宮殿で1306年、チェコの王ヴァーツラフ3世が殺されました。こうしてプシェミスル家は断絶しましたが、その後もここで新たな歴史が展開していきます。繊細で見事な石の装飾をほどこされたこの宮殿は、洗練された西ヨーロッパ・ロマネスク建築の特徴を備えています。大司教座博物館の見学コースの一部として、この宮殿も見ることができます。色美しい壁、ゴシックの格子廊下、井戸のある「天国の中庭」、フレスコ画が美しい聖ジョン・ザ・バプティスト礼拝堂など、このロマネスク宮殿に残された数々が、かつてここを治めた中世に生きた司教たちを偲ばせます。